倫理綱領と行動規範

倫理綱領

昭和57年9月25日制定
平成18年4月1日改正

前文
労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント(以下「労働安全衛生コンサルタント」という。)は、常に安全衛生に関する経験を積み、その 技術及び知識の充実と向上に努め、すべての働く人びとが安全で健康に働くことができる環境を確保することを使命とし、安全衛生の充実を通して社会の発展に 寄与し、労働安全衛生コンサルタントの名誉と権威を高めなければならない。
第1条(使命と責務)
労働安全衛生コンサルタントの使命は、すべての働く人びとが安全で健康に働くことができる環境を確保することにより、社会の発展に貢献することにある。
第2条(品位の保持)
労働安全衛生コンサルタントは、常に品位を保持し、労働安全衛生コンサルタントの信用を傷つけ、又は不名誉となる行為等をしてはならない。
第3条(業務の公正)
労働安全衛生コンサルタントは、公正かつ誠実に業務を遂行しなければならない。
第4条(能力の向上)
労働安全衛生コンサルタントは、常に安全衛生に関する経験を積み、自己の技術及び知識の研さんと向上に努め、業務遂行能力の充実を図らなければならない。
第5条(権威の保持)
労働安全衛生コンサルタントは、自己の経験、技術及び知識の程度を認識し、その能力を超え、又は確信のない業務を行ってはならない。
第6条(秘密の保持)
労働安全衛生コンサルタントは、業務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
第7条(明確な契約に基づく業務の遂行)
労働安全衛生コンサルタントは、業務を受託するにあたっては、明確な契約を締結した後に業務に着手し、その契約に基づいて誠実に業務を遂行しなければならない。
第8条(利害相反行為等の禁止)
労働安全衛生コンサルタントは、業務に関して依頼者に不当な損害が生じるおそれのある利害相反行為を行ってはならない。また、契約に定める報酬以外の不当な金品の贈与又は供応を要求し、または受けてはならない。
第9条(誇大表示の禁止)
労働安全衛生コンサルタントは、自己の能力、経歴等を誇大又は偽りの表示をしてはならない。
第10条(自己の安全と健康)
労働安全衛生コンサルタントは、自己の安全確保と健康の保持について、他の模範となるよう努めなければならない。

行動規範

平成18年4月1日制定

まえがき

倫理綱領は、本会の会員の活動において、守るべき最低限の基準を示すものであるが、より具体的な倫理上の行動指針を示すため、ここに会員が出会う機会が多いと思われる重要な問題を取り上げ、会員が取るべき行動の規範を示すことにした。

なお、この行動規範は、網羅的なものではなく、今後も必要に応じて増補し、改訂すべきものである。

(使命と責務)

1-1 すべての働く人びとの安全と健康を確保するための最適な措置が行われるよう最大限の努力を惜しまず行動する。

1-2 すべての働く人びとの置かれている状況を理解し、その個々の立場を尊重して行動する。

1-3 すべての働く人びとの安全と健康を守るために役立つ情報は、すべての働く人びとにもれなく正確に伝達する。

1-4 自己の専門的判断が受け入れられず、すべての働く人びとに危害が及ぶおそれがあると考えられるときは、その回避に必要な措置を速やかに講じる。

1-5 安全衛生の重要性について、社会全般の認識を一層高めるよう努める。

1-6 安全衛生に関する研究、情報の公開、制度の改善等に進んで参画し、専門技術及び社会制度の進歩に寄与する。

(品位の保持)

2-1 自己の使命と責務に誇りを持ち、良心に基づいた謙虚な態度で行動し、いやしくも自己が他よりも優れた者であるかのような尊大な態度をとってはならない。

2-2 安全衛生の専門家である以前に、社会人としての良識と礼節を保持する。例えば、恐喝、暴行、暴言、セクハラ等の行為をしてはならない。

2-3 業務のことはもとより、業務に関係のないことであっても、その与える影響を考え、適切でない又は誤解を受けるおそれのある行動を慎む。

2-4 専門家としての信頼を傷つけ、関係者を欺くおそれのある行為をしない。また、事実を知っていても黙っていたり、誤り伝えることをしない。

2-5 労働安全衛生コンサルタントは、相互に信頼し合い、相手の立場を尊重し、いやしくも他の労働安全衛生コンサルタントを中傷し、又は業務を妨げるような言動や行為をしない。

(業務の公正)

3-1 法令を遵守することはもとより、社会的な規範を尊重して行動する。

3-2 科学の原理に沿った明確な根拠に基づいて行動する。

3-3 業務に関する見解や証言を求められたときには、その業務に関連する科学的な根拠又は客観的データに基づき、把握した事実を曲げたり、隠したりはしない。

(能力の向上)

4-1 自己の有する技術及び知識を常に自己評価するとともに、計画的に必要な研さんを行い、その向上に努める。

4-2 国内外における最新の専門的な技術及び知識を把握し、時代の進歩に遅れないよう努める。

4-3 本会が行う生涯研修制度に参加し、必要な自己研さんに努める。

(権威の保持)

5-1 受託しようとしている業務に自己の能力を超える事項又は確信のない事項があることを知った場合には、必要な能力を有する労働安全衛生コンサルタント等の援助を得ることができる場合を除いては、その業務を行わない。

5-2 業務の遂行に当たり、自らに非があったことを知ったときは、素直に自己の誤りを認め、速やかに依頼者にその旨を通知して適切な措置を講じる。

5-3 業務の内容に関して、自己の業務の範囲外である事項については、証明し、又は署名してはならない。

5-4 業務の契約に当っては、不当な対価で受注し、名義貸をし、業務の全面的なアウトソーシングなどの行為をしてはならない。

5-5 自己の有しない資格を要する業務については、契約を締結しない。

5-6 診断、指導等を行うときは、労働安全衛生コンサルタントに相応しい適切な作業服、保護具を着用し、必要な検査機器等を用意する。

(秘密の保持)

6-1 業務上知りえた企業及び個人の秘密は、第三者に漏らし、又は盗用してはならない。

6-2 個人の情報については、業務遂行上必要としない情報の聴取等は行わない。

6-3 依頼者に関する情報を開示するときは、事前に依頼者の承諾を得る。

6-4 企業及び個人の秘密の保持については、労働安全衛生コンサルタントでなくなった場合においても、漏らし、又は盗用してはならない。

(明確な契約に基づく業務の遂行)

7-1 受託する業務の内容、報酬、期間等について事前に打ち合わせた上で、明確に契約を締結し、依頼者との間に無用の紛争を生じないようにしなければならない。

7-2 契約の履行が不可能となるときには、速やかに依頼者に通知し、依頼者に不利益が生じないよう適切な措置を講じる。

7-3 契約を締結した後に、当初の見積りを超える経費を要することになっても、契約履行の原則に則り、依頼者との合意なしに契約した報酬以外の金品の請求をしない。

(利害相反行為等の禁止)

8-1 業務の遂行に当たって、利害の相反するおそれがあるときは、またはそのようなおそれがある状況にあると判断したときは直ちに、行為を中止し、当事者に通知しなければならない。

8-2 業務の遂行に際して、直接間接を問わず業務に影響を与えることを意図した金品を請求し、又は受け取ってはならない。

8-3 業務受注のため、いかなる名目を問わず金品等の提供をしてはならない。

(誇大表示の禁止)

9-1 学歴、受けた専門教育、業務歴又は有する資格内容等は正確に記載し、依頼者に誤解を与えるような誇大又は偽りの表示をしない。

(自己の安全と健康)

10-1 業務の遂行に際しては、心身ともに最良の状態を保持する。

10-2 業務を遂行中はもとより、日常の行動においても、常に身をもって安全衛生の規範を示す。

10-3 業務遂行中は、相手作業現場のルールに則り行動し、規定の保護具を着用せずに作業場に立ち入ったり、ポケットに手を入れたまま作業現場を歩行するなど、指導者としてあるまじき不安全行動をしてはならない。