労働衛生研修会 2024年10月27日(日)開催

 ☆ 令和6年度 労働衛生研修会の内容

産業衛生行政の動向(化学物質対策行政の動向を中心に)

厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 化学物質対策課

睡眠による労働者の健康安全の推進~睡眠健診の導入で健康管理をめざす~

久留米大学大学 学長
内村直尚氏

日本は「不眠大国」と呼ばれているように、世界各国と比較して睡眠時間が最も短い。この要因には、長時間労働、PCやスマホ等の常用による24時間社会、絶え間ないストレス等が挙げられる。睡眠不足は、昼間の生活の質(QOL)の低下、全身倦怠感、免疫力低下、認知機能低下、不安・イライラ・抑うつ感を生じ、うつ病、認知症や高血圧、糖尿病等の生活習慣病、心血管系疾患、癌の増悪因子となる。その結果、多大な経済損失や健康寿命の短縮、死亡率の増加にも繋がっている。
今年2月、厚生労働省は国民一人ひとりの十分な睡眠の確保が重要な課題であるとして、「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を発表した。睡眠健診の導入が、労働者のからだとこころの健康管理を高め、作業効率やパフォーマンスの向上をもたらす。人間の平均寿命は約80年であるが、その内の20年間の睡眠を大切することが、覚醒している60年間のQOLを高めて健康を維持し、幸福度の向上に繋がる。

健康格差社会-何が心と健康を蝕むのか

千葉大学 予防医学センター 教授
近藤克則氏

地域や集団間における健康水準の格差を健康格差という。単なる差異を意味する「較差」ではなく、あるべきでない差異を「格差」という。20年程前には、時の小泉首相が「格差はどこの社会にもあり、格差が出ることは悪いことでない」と国会で発言していたが、その後の論議を経て、今では国も「健康日本21(第2次)」で「健康格差の縮小」を目指すとしている。その健康格差は、職域においても見られる。大きすぎる格差は、その職域や集団に属する人たちの健康を損なうこと、そして、そのメカニズムが徐々に解明されてきた。その概要を紹介し、そこから考えられる対策についても考えてみたい。

*労働衛生研修会では会場研修のみ日本医師会の認定産業医制度研修会として指定を申請中です。
参加者(認定産業医)には、認定単位(4.5単位))が認められます。所定のシールをお渡しします。シールをご希望の方は受講申込時に所定欄に産業医番号を記入願います。

 


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