☆ 令和6年度 労働安全研修会の内容
■産業安全行政の動向
厚生労働省 労働基準局 安全衛生部 安全課
■Safety-ⅠとSafety-Ⅱの考え方とそのアプローチ
早稲田大学理工学術院 創造理工学部 経営システム工学科 人間生活工学研究室 教授
小松原明哲氏
ヒューマンエラー防止に関係して、Safety-Ⅰ、Safety-Ⅱという言葉を聞くようになった。前者は、作業手順を明確に定めて、その通りに行うことを求める標準化のアプローチであり、作業環境管理、作業標準設定、手順の教育訓練と徹底などが代表的な取り組みとなる。一方、後者は、「生きている現場」で求められるアプローチであり、危険予知や注意喚起、コミュニケーション、力量向上などが代表となる。両者は対立するものでもないし、目新しいものでも、今まで私たちが取り組んできた安全へのアプローチを否定するものでもない。ただし区別は必要であるし、その限界を理解することも重要となる。今回は現場実践を前提に、これらの考え方を整理したい。
■中小規模事業場における機械災害防止対策
長岡技術科学大学非常勤講師
芳司俊郎氏
中小規模事業場では、専門スタッフがいない、専門知識がないなどの理由から、大企業に比較して、十分な安全対策が講じられていないことが多いとされる。例えば、リスクアセスメントである程度のリスク低減を図ったとしても残るリスクで災害が発生することが懸念されている。また、様々な安全対策が提唱される中で、どんな安全対策に取り組むべきか戸惑っているところも少なくないと聞く。ここでは、中小規模事業場においても実施可能なリスクアセスメント手法を提案するとともに、簡素な機械安全対策を提案する。