「職場における腰痛予防対策指針」が改定されました

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腰痛予防については、厚生労働省(旧労働省)において、古くから昭和45年7月10日付け基発第503号「重量物取扱いにおける腰痛の予防について」及び昭和50年2月12日付け「重症心身障害児施設における腰痛の予防について」等により行政指導が進められていましたが、平成6年9月6日付け基発547号「職場における腰痛予防対策の推進について」により、それらが統合されて新しい「職場における腰痛予防対策指針」が公表され、さらに強力な啓発や指導が行われてきました。

しかし、今なお、職場での腰痛は、休業4日以上の職業性疾病のうち6割を占めていますし、近年は高齢者介護などの社会福祉施設での腰痛発生件数が大幅に増加している状況にあります。

そのような背景のもとに、今般、厚生労働省は平成6年の策定された「職場における腰痛予防対策指針」を19年ぶりに改定して、更なる腰痛予防対策の充実を図るとしています。

新しい指針の主な改定事項は次のとおりです。

1 介護作業の適用範囲・内容の充実

・  「重症心身障害児施設等における介護作業」から「福祉・医療等における介護・看護 作業」全般に適用を拡大

・  腰部に著しく負担がかかる移乗介助等では、リフト等の福祉機器を積極的に使用することとし、原則として人力による人の抱上げは行わせないことを記述

2 リスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムの手法を記述

・  リスクアセスメントは、ひとつひとつの作業内容に応じて、災害の発生(ここでは腰痛の発生)につながる要因を見つけ出し、想定される傷病の重篤度(腰痛に関しては腰部への負荷の程度)、作業頻度などからその作業のリスクの大きさを評価し、リスクの大きなものから対策を検討して実施する手法(労働安全衛生法第28条の2)

・  労働安全衛生マネジメントシステムは、事業場がリスクアセスメントの取組を組織的・継続的に実施する仕組み(労働安全衛生規則第24条の2)

・  これらは、いずれも労働災害防止対策として取り組まれているものであるが、腰痛予防対策においてもこれらの手法が効果的であることから改訂指針に明記

3 一部の作業について、職場で活用できる事例を掲載(チェックリスト、作業標準の作成例、ストレッチング(体操)方法など)

詳しくは、次のURLに載っています。

https://www.mhlw.go.jp/stf/hou……ishin.html

なお、この内容は、本年3月に職場における腰痛予防対策指針の改訂及びその普及に関する検討会の報告書が出されたとき本ホームページの載せたものと大きな違いはありません。


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