労働安全研修会

☆ 平成30年度 労働安全研修会のポイント

1. 産業安全行政の動向

今後の新たな労働災害防止施策について、それらを企画・立案された厚生労働省安全衛生部安全課の責任ある担当官からご説明をして頂きます。

2. 技術者倫理からレジリエンスエンジニアリングへ

-「人」のポジティブな部分に目を向けて安全を考える-

JABEE(日本技術者教育認定機構,1999年設立)や技術士法の改正,あるいは社会からの要請により,我が国でも急速な広がりを見せた「技術者倫理」は,倫理の行為者である技術者によって,公衆の安全・健康・福利を実現することを目的とした学問である。一方,「レジリエンスエンジニアリング」は,エンジニアリングの最優先事項である「安全」をレジリエント(回復力,復元力等と訳される)に実現することを目的とした手法である。この2つに共通する「人こそが安全を守り,向上させる資源」という視点に基づきながら,エラーやトラブル,事故をなくすためにどのような取り組みが考えられるのか。「人」のポジティブな部分に目を向けた安全の実現について,実事例を交えながら検討する。

3. 創造的失敗対策

人間はあらゆる場面で機械と共存をしている。産業革命以来300年に満たない短期間での機械の発展には目を見張るものがあり、今や機械は人間をはるかに凌ぐサイズ、パワー、スピード、正確性を持つ。しかし、人間の安全を守るには、まだまだ器用さもなく、融通も利かない無骨な未熟者であり、ちょっとした故障で本来の設計範囲をはみ出し、人間に危害を加える。このため、人間が手を添え、緊急停止をさせることで安全が保たれる。機械ではない人間は、複雑な作業や判断ができるものの、生き物であるから間違えることがある。機械が必要とする人間の制御が外れると、事故につながる。単なる注意力喚起ではなく、注意が削がれない工夫、削がれても機械の暴走が起こらない仕組みを作らねばならない。

4. 重大事故から学ぶこれからの安全管理

重大事故で問われたことは、三つある。
一つ目は、リスクアセスメントと変更管理の不備である:これらを機能させるには、専門的知識と経験を必要とする。
二つ目は、「どこまで安全を求めるか?」である:すなわち、「リスクゼロ」ではなく重大事故防止に重点を置いた安全管理である。
三つ目は、強いといわれた日本の現場力が低下してきており、「現場力の低下」を受け止めた安全管理である。
これらの背景には、事業場の年齢構成が熟練技能者がいなくなったために、「二山構造」から若手主体の「一山構造」に急速な移行していることがある。
人間の対応能力の限界を念頭に置いて、設備やシステムを設計していく必要がある。
一方、これからの製造業の生き残りを考えると、プロセスイノベーションからプロダクトイノベーションへが求められており、日本の安全管理は岐路に来ているといえる。


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